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2023.06.21

家具のリペアの仕事


夏至で太陽が出ている時間が長い、まだ明るいから6時くらいかなと思ったら7時過ぎていて焦っています。
4年前の夏至はフィンランドの中部あたりにいて、深夜3時でも明るくて戸惑っていました、時差ボケもあってまだ夕方くらいの感覚でいたらどんどんお店が閉まっていく、バーみたいなところも閉まっていく、時計を見たら夜の11時を回っていたというのも印象深い北欧の夏至体験でした。

さて、そんなフィンランドの家具メーカー「アルテック」のアアルトデザインの家具のリペアの仕事をしました。
写真の上がAFTER、下がBEFOREです。
お預かりした時は木部は塗装が剥がれたり、突き板が浮いてきていたり、手垢や蓄積された汚れで黒っぽくなっていました。
座面の革は敗れて内側のクッション材も見えている、という状態でした。
こうなるとある種の諦めみたいな感情が出てきて、隅っこに追いやられがちです。
わかります。

でもしっかりした木の家具は綺麗に直すことができます。
研磨して、クリーニングして、張り替えたら新品のように蘇ります。
これでまた次の30年を家の中のセンターで使われるでしょう。

リペアにかかる費用は安くはありません、きっと見積もりを見たら「高っ!?」と感じると思います。
新しく買えそうな金額ということも珍しくありません。
それでも直して使い続ける、これはその家具への愛着や愛情によるところが大きいですが、何を身の周りに置いて使いたいかを考えるとリペアという選択を尊重したい。

いつまで経ってもビートルズがナンバーワンだという人と同じように、いつまで経っても同じ家具を好きでいてほしい、と家具屋は思う。